目指せ、私の音楽
どんな内容で起業されていますか?
音楽大学の声楽科を卒業後、歌のお姉さん“まいまいちゃん”としてデビューし、これまでに2000ステージ以上で公演。保育園や幼稚園、各種イベントでのコンサート活動を行い、オリジナルで楽曲の制作にも取り組んでいます。
起業のきっかけと最初の一歩を踏み出した原動力は何でしたか?
音楽大学を卒業後は歌のお姉さんとして事務所に10年、会社員として所属していました。結婚をきっかけに退職し、「さかもとまいこ音楽事務所」を開業しました。
開業届は無料で出せると知り、周りに「やる!」と宣言をして自分を追い込みました。この仕事が「好き」という気持ちが私を支えている原動力です。
集客やリピーターの獲得をするために工夫していることはありますか?
私の場合は観客として参加するお子様や親御さんからお金をいただくことはほとんどなく、ショッピングセンターや企業、イベント代理店からお金をいただいています。
集客面では、主に企業が宣伝や集客を担ってくださいますが、私自身ができることは『自分をもっと多くの方に知ってもらうこと』です。そのため、オリジナル楽曲の制作やSNSの更新に力を入れています。
コンサートの内容は毎回一緒のものにならないように季節やイベントに応じて組み立てています。また、歌うだけでなくバルーンアートを作ったり、リトミックを取り入れたり、対象年齢に合わせて構成を考えます。色々工夫することで、「別の内容で次もお願いしよう!」と声をかけていただくことにつながっています。
営業が苦手と言われる方も多いですが、営業活動はしていますか?
起業した当初、「営業」=「直接声をかけてまわるもの」と思っていて、5ヶ月の娘を背負って保育園や幼稚園を訪問していました。でも、そのやり方では1件も仕事の依頼にはつながりませんでした。今思えば、歌を聞かせるわけでもなく、突然話をしに来て、「一体誰だ?」と不審がられていたと思います。
ショッピングセンターに電話しても「営業ですね」とすぐに窓口で電話を切られ、上の方とは繋いでもらえませんでした。
次に、1度連絡を取った後、連絡が来なくなっていたイベント代理店に電話をしてみることにしました。すぐには仕事に繋がらなかったのですが、同じ会社に3回電話して「仕事をください」と伝え続けました。「そのガッツはいいよ」と担当の人に面白がってもらえるようになって仲良くなり、現在、ショッピングモールでのお仕事ができているのはその方とのつながりが1番大きいです。
保育園、幼稚園への営業としては、まずは歌を聞いていただきたいと思い、芦屋海浜公園で100回以上無料のコンサートを開催したところ、段々イベント関係者や保育園、幼稚園関係者が見にきてくれるようになって口コミが広がりました。
私の場合、電話や訪問での営業活動はうまくいきませんでしたが、実際に歌を聞いていただくことでようやく興味を持ってもらえることがわかり、それ以降、無料コンサートを開催して実際のパフォーマンスを届けるように心がけています。
営業とは名刺と資料を持ってお話しするだけでない、自分を相手に1番よく見せる伝える手段もあることを実感しました。
失敗や挫折の経験はありますか?また、その時どうやって乗り越えましたか?
声が出なくなってしまったことがあります。歌う仕事が続いたり、エアコンも頻繁に利用する機会が多く、喉を痛めてしまいました。
前の事務所であれば、他のお姉さんが代わりに出演することができたのですが、個人事務所になったばかりでそこまで考えていませんでした。結局、イベント当日までに回復せず、結果として出演をキャンセルしてしまいました。
一般的に代理のパフォーマーは請負側が用意しなくてはいけなかったのに、知り合いもおらず穴が開いたままの状態にしてしまったのです。後日、謝罪に伺った時「失敗は誰にでもあるから」と優しく声をかけていただきましたが、本当に申し訳ないことをしたと反省しました。
それからは、「声が出ない場合は別のパフォーマーになる可能性があります」などの文言をホームページに追記するようにし、別のパフォーマーとも連携しています。
落ち込んでいる時の気分を上げる方法はなんですか?癒しやストレス発散方法を教えてください。
私の場合、コンサートをすること、子どもたちの前で歌うことで心が浄化されます。
大好きな先輩から昔「色々辛いことがあっても湯船に浸かるんだよ、『ああ極楽極楽と言って寝よう』」とアドバイスをいただいたことがあり、本当にその通りだと思います。時間が解決&歌って解決です。
癒しの時間はアニメと韓国ドラマを見る時間です。娘を寝かしつけた後の、現実逃避時間が趣味で癒しの時間です。
起業してよかったことはありますか?
以前は歌のお姉さんとして、正社員として事務所に所属していたので、歌を作ったりお話用に大きな紙芝居など絵を描いたりもしていましたが、事務所時代に作ったものは全部事務所の所有になります。前は作品に事務所の代表の意図を反映させなければいけなかったのですが、今は自由に作れます。今は全部自分の作品で私の好きに作れるようになったことがよかったことです。
自由に作品を作れる喜びがある一方で、他のスタッフからのアドバイスはもらえないため、不安もあります。そこで、夫や母にアドバイスをもらっています。離れて暮らす小学校の教員である母とはテレビ電話でやりとりして「その言葉使いはだめだよ」など、忌憚ない意見を伝えてくれて、喧嘩しそうになることもありますが、ありがたい存在です。
同業者とは違う自分らしさを出すために工夫していることは何ですか?
自分らしさとは人柄の部分が大きいと思っています。自分の心だったり伝わるものがあるのでそれがその人らしさに繋がるのではないかと思います。
これから起業したいみなさまにエールをお願いします。
私は子どもがいますが、周りのサポートやアドバイスのおかげでなんとかやって来られています。女性は強いです!悩んでいる人はとりあえずやってみる!の精神で挑戦してください。応援しています!
(2024.10 .10)
(令和6年度起業セミナーゲスト)