インタビュー #創業支援

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「作りたい」を叶える洋裁教室

はづいおママの洋裁教室、オリジナルアクセサリー・洋服販売「marble fam」

坂田 絢(サカタアヤ)さん

2010年12月

@kocka_macka

縫製師、洋裁教室主宰、洋服・アクセサリー販売

どんな内容で起業されていますか?

北九州市八幡東区で初心者でも作りたいものをすぐに作れる洋裁教室を開いています。「marble fam」という屋号でオリジナルの洋服やアクセサリーを販売したり、縫製師として様々なオーダーにも対応しています。

起業のきっかけと最初の一歩を踏み出した原動力は何でしたか?

高校から理系の学校に通い、建築系の大学を卒業後は作業着を着て工場の現場作業員として働いていました。長期出張が多く、夜はホテルで自由に、趣味の編み物やアクセサリー作りをしていました。すると、SNS(当時はmixi)で門司港の雑貨屋さんから「販売してみませんか」と声をかけられたのがきっかけで、ブランドを立ち上げました。
当初は本業にプラスする副業でしたが、結婚を機に会社を退職し、転勤族である夫と一緒に全国各地で仕事ができるよう、副業を本業に転換しました。縫製技術は職業訓練校で学び、どこにいても自分の仕事ができる環境作りを続けています。
地方では縫製の仕事が少ないため東京や大阪の個人ブランドの縫製師の募集を探し、自分のスキルアップに繋がる求人を見つけて挑戦していき、実務経験を積みました。
長年の経験を活かして、人に技術を教えることにも挑戦しようと今年から自宅で洋裁教室を始めています。

集客やリピーターの獲得をするために工夫していることはありますか?

西日本最大級の大きなイベントから地域のお祭りまで、とにかくたくさんのイベントに出店しました。出る前には必ずそのイベントに自分も足を運んでいます。客層をしっかり把握するためです。イベントは基本的に出店料を払っての出店ですが、大きなイベントになると金額は万円単位になります。ハンドメイドのイベントでは1点の金額が小さいものが多いと赤字になる人も多数いますが、赤字にならないようにリサーチを必ずしていて、自分の商品にあったお客様の来場が多く見込まれるイベントを選んで出店するようにしていました。そのため、一度も赤字になったことはありません。
一度買っていただいたお客様は子供服や親子服などリピートしてオーダーしていただくことが多く、個別に連絡をとる頻度が高くなります。シーズンごとや「壊れたりしていませんか?」と自分からアフターフォローのお声かけをしています。お直しは無償で行いますが、その時に新作を購入していただくこともあります。
そのようなやりとりを続けてお付き合いが10年を超えたお客様もいらっしゃいます。

営業が苦手と言われる方も多いですが、営業活動はしていますか?

初めてお会いしたお客様とは最初にではなく、お話しして仲良くなってから最後に名刺をお渡しすることが多いです。お客様としっかりお話しすることにより、好みがわかってくると、イベントで陳列している商品とは違った、「自宅のあの布と布の組み合わせがきっとお好きだろうな」というイメージが湧いてきます。そして必ず最後にオーダーができることをお伝えして名刺をお渡ししています。お客様と沢山お話して相手を知り、自分のことを知ってもらうということが営業につながっている気がします。

落ち込んでいる時の気分を上げる方法はなんですか?癒しやストレス発散方法を教えてください。

私は人と会うのが好きなので、コロナになりリアルで会えるイベントが減って、人と会えなくなったことが辛かったです。そんな時もストレス発散していた方法は、大学生から続けているダンスでした。19年くらいヒップホップなどを踊っています。今も大人のダンスサークルを立ち上げて市民センターで人を集めて教えています。
好きを仕事にする人はそれ以外の趣味がない人も多いですが、もう一つ別の趣味や好きなことをもつといいと思います。
体を動かす人はうつ病になりにくいと言われるくらい、体を動かすことは大切だと思います。歌を歌ったり、ダンスしたり、体を動かすことは良い発散方法だと思っています。

起業してよかったことはありますか?

タイムスケジュールを自分で決められるのが嬉しいです。学生時代からテスト前などスケジュールを立てるのが大好きでした。余裕を持ったスケジュールを組めると嬉しいです。
起業してからは1分1秒を無駄にしないよう生きています。ボーッとする時間は、朝子どもを送り出してコーヒーを飲むときだけと決めています。それ以外の時間は何かをやっていないと気が済まなくて動き回っています。やりたいことがたくさんあって常に複業状態なので時間が足りないと感じる事が多々ありますが、スケジュールを詰め込んでうまく回してそれを毎日繰り返していけることが何より嬉しいです。

これから起業したいみなさまにエールをお願いします。

まずはやってみること、すごく大事だと思います。上を見れば本当に凄い人はたくさんいて、特にものづくりの世界は年齢と共に技術を積み重ねている人がたくさんいます。どうしてもすごい人を見てしまうと、私なんてと思ってしまうこともありましたが、洋裁教室を始めてみて、私からの技術を学んで目を輝かせてくださる生徒さんを見て、この方達のために私はもっと頑張るべきだと前向きに思えるようになりました。
せっかくやりたいことに出会っているなら、そのことに挑戦して欲しいです。

(2024.10 .10)
(令和6年度起業セミナーゲスト)