インタビュー #創業支援

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好きなことを軸に起業、続けることで見つけた未来

ネイルサロン Salud

なかがわ じゅんこさん

2008年9月

https://nail-salud.shopinfo.jp/

@salon.salud

ネイリスト

どんな内容で起業されていますか?

心が癒されるデザインを提案するネイリストとして、八幡西区でサロンを立ち上げ、現在は直方に拠点を移し、自宅サロンにて施術しています。

起業のきっかけと最初の一歩を踏み出した原動力は何でしたか?

起業したのは16年前、結婚と出産がきっかけです。
ネイルを学び始めた恩師のサロンで働いていましたが、通勤時間がかかり、結婚と妊娠を機に退職しました。その後、出産も控えていたので大規模には始められませんでしたが、「細々とでも続けたい」という気持ちで自宅サロンを開業することにしました。
「とにかくネイルが好き。」で、小さくてもいいから続けようと思ったのが起業に一歩踏み出した原動力です。
開業当時はSNSよりもブログが主流だったので、「今日からはじめます」とブログでひっそりとオープンを宣言しました。

集客やリピーターの獲得をするために工夫していることはありますか?

おかげさまで、リピーター様100%でサロンを運営しています。
はじめの頃の集客はイベントで、お子様対象のネイルブースを出店していました。その後、そのお母様に来店していただき、そこから10年以上、お子様の成長と共に長いお付き合いを続けています。
いつもお客様がどんなことに期待されているか、アンテナを張っています。「この色はあのお客様が好きな色だ」「このデザインはあのお客様に似合いそう」といったことを常に考えています。

営業は得意ですか?また、営業していますか?

営業は得意ではありませんが、現在はリピーターのお客様に支えられて新たな営業活動はしていません。

失敗や挫折の経験はありますか?また、その時どうやって乗り越えましたか?

毎日失敗で反省の日々です。
1番印象的な失敗は、新規のご予約日を勘違いし、準備不足でお迎えしてしまったことです。仕事の日は預けるはずの子どもも在宅という状況でした。さすがにそのまま施術するわけにはいかないので手元にあるネイルのケア用品をまとめてお渡しし、本当に申し訳ありませんと謝罪し、帰っていただきました。
これはもう二度と来店はないだろうし、悪い口コミも広がるだろうなと覚悟をしていましたが、その後は改めてご予約いただいて長いお付き合いのリピーター様になってくださいました。

もう一度来てくださったのですか?

はい。当日、その場では謝ることしかできず、謝罪のメールを送ることも頭によぎりましたが、お客様のご負担になるのではないかと思い、あとはお客様の判断にお任せするしかないと心を決めました。
失敗したことは仕方がないし、反省するしかないですが、繰り返さないようにしています。この出来事以来、必ず前日にリマインドのご予約確認メールを送るようにしています。

落ち込んでいる時の気分を上げる方法はなんですか?癒しやストレス発散方法を教えてください。

ストレスがたまった時は車内で大きな声で叫んで発散しています。車内なので誰にも気を使わず、スッキリします。
また、失敗したことをあえて一度深く考えて、脳内会議をして声に出したり、ノートに書き出すことで出し切って、リセットしています。
犬を飼っているので空いた時間に戯れることも癒しになっています。

起業してよかったことはありますか?

ネイルサロンで働く前は事務員や販売員などの全く違う仕事をしていました。
ネイルのお仕事に出会い、サロンをオープンしたことで自分のペースで仕事ができること、自分のスペースが持てていることがよかったことです。
自宅サロンのネイルの部屋は自分にとっての聖域です。
ここの場所だけは常にきれいにしたいという思いでいて、子どもには立ち入り禁止にしています。好きなものを置いたり、この空間にいること自体が心地よく過ごせることが私の幸せです。

自信の持ち方、モチベーションを上げ続けるための秘訣は何ですか?

技術の世界では、新しいものが次から次へでてきて終わりがありません。追いつくのは大変ですが、根底にある「好き」という気持ちと「負けたくない」という強い信念があります。
見た目ではそんな風に見えないとよく言われるのですが、実はコンクリートのようなかたくて強い心を持っています。落ち込むこともよくありますが、細々でもいいのでこれだけは続けたい、やめたくないという想いでやっています。
その強い気持ちがお客様にも伝わり、長いご縁をいただいているのではないかと感じています。

これから起業したいみなさまにエールをお願いします。

大きく始めることもできると思いますが、「小さく始めて長く細々とでも続けたい」という想いで私はここまで続けてきました。
勢いも必要だと思うのですが、途中で息切れしてしまうよりも自分のペースで柔軟に続ける方法もあります。自分のやりたい想いを大事にして一歩ずつ進んでください。

(2024.10 .10)
(令和6年度起業セミナーゲスト)